
昨今は国際社会のグローバル化が進んでおり、日本に移住する外国人の数も増加しています。そんな日本で暮らす外国人たちにとって、最初の関門となるのが賃貸探しです。外国人にとって日本で賃貸契約をするのは難易度が高いといわれていますが、具体的に何が原因かご存知でしょうか。
そこで、今回は外国人の賃貸契約が難しい理由について解説します。賃貸契約をしやすくするためのポイントや日本における賃貸探しのコツもまとめて紹介するので、日本への移住を検討している外国籍の人はぜひ参考にしてください。
外国人が日本で賃貸契約を結ぶ際、日本独自のルールに困惑するケースが多いです。具体的にどのような独自のルールがあるのか紹介するため、順番にチェックしていきましょう。
代表的な日本独自の賃貸ルールとして、礼金の習慣が挙げられます。礼金とは、大家さんに対して感謝の気持ちを込めて渡すお金のことです。礼金の習慣は戦前に定められた地代家賃統制令が由来で、1986年に廃止された今でもそのルールが受け継がれています。
礼金は、海外ではほとんど採用されていない日本独自のシステムです。敷金と異なり返金されるケースもないため、賃貸契約の際に礼金の存在を知り、反発する外国人も少なくありません。
最近では礼金不要の賃貸も登場しているため、どうしても礼金を支払いたくない場合は礼金が必要ない物件を探しましょう。ただし、利用できる不動産の選択肢は狭まります。
更新料も、日本独自のルールのひとつです。更新料とは、現在暮らしている賃貸との契約を更新する際に支払うお金のことで、家賃の1〜2か月分が更新料の一般的な相場になります。
保険料の支払いがある場合や、更新事務手数料が必要な場合は、更新料とは別に追加でお金を支払わなければなりません。海外では、更新する際1か月分の家賃を無料にする習慣がある国も少なくないため、日本の更新料に驚く外国人も多いです。
ただし、更新料は東京都や神奈川県など、一部の地域で採用されているルールのため、居住エリアによっては支払う必要がない場合もあります。また、交渉次第では値下げをしてくれるケースもあるため、気になる人は不動産屋や大家さんに相談してみましょう。
海外でも一般的なシステムである敷金にも、日本独自のルールが存在します。海外における敷金は、退去時に全額返金されるのが一般的です。
しかし、日本では清掃費や原状回復費を敷金から差し引いた額が返金されます。部屋の状態によっては敷金だけでは部屋の清掃や原状回復が完了せず、追加でお金を請求されるケースも少なくありません。
敷金をできるだけ多く返金してもらいたい場合は、部屋をできるだけ綺麗に使うようにしましょう。また、入居前から存在していた汚れや傷に対して修理費を請求されるケースもあるため、既存の汚れや傷を見つけたら、写真を撮って証拠を残しておくのをおすすめします。
最近では外国人向けの賃貸や不動産検索サイトも登場していますが、外国人が日本で賃貸契約を結ぶのは依然としてハードルが高いです。以下は、外国人の賃貸契約が難しい主な理由になります。
外国人が賃貸契約を結びにくい理由のひとつとして、意思の疎通の難しさが挙げられます。賃貸契約を結ぶためには契約書を読み込み、各種注意事項まで理解しなければなりません。しかし、日本人でも辟易するような契約書の内容を、外国人が完全に理解するのは困難です。
契約の説明時に十分な意思の疎通ができない場合、入居後トラブルが発生した際にスムーズな解決ができないと考える賃貸の責任者により、入居を断られる可能性も否定できません。
連帯保証人の存在も、外国人が賃貸契約を結ぶ際の大きな壁となっています。賃貸契約を結ぶ場合、借主が家賃を支払えないときに代わりに支払いをしてくれる、連帯保証人を用意しなければなりません。
しかし、外国人は現地に親戚や知り合いがいないケースがほとんどです。そのため、連帯保証人が用意できず、賃貸契約が結べない外国人も少なくありません。連帯保証人の代わりに保証会社を挟むケースもありますが、保証会社の審査に通る必要があります。
支払い能力を証明しづらい点も、外国人の賃貸契約のハードルが高くなっている原因のひとつです。賃貸契約を結ぶ際、契約者の支払い能力を証明する必要があります。支払い能力の証明は、源泉徴収票や給与支払い証明書、確定申告書のコピーなどを提出して行うのが一般的です。
しかし、日本に来たばかりの外国人が、これらの書類を用意するのは簡単ではありません。書類が用意できなかった結果賃貸の審査を通過できず、契約が結べなかった外国人もいます。
外国人を受け入れると、住民同士のトラブルが発生しやすくなると思われている点も、外国人の賃貸契約を難しくしています。日本と異なる文化圏で育った外国人は、日本のルールや習慣に疎いケースが多いです。
本人に悪意がなかったとしても、ゴミ出しや騒音、又貸しなど、さまざまなトラブルを招く場合があります。そのため、外国人に部屋を貸し出すことに対して、二の足を踏んでしまう貸主は少なくありません。
外国人が賃貸を借りるにあたって、非常時や借主が帰国する際の対応の難しさも問題になりやすいです。日本国内で災害が発生した場合、契約解除プロセスを踏まずに帰国する外国人も一定数います。
賃貸の支払いを踏み倒されてしまった結果、貸主がその後外国人との賃貸契約を拒否するようになるケースも少なくありません。
外国人が賃貸の契約を結ぶハードルは高いですが、まったく契約ができないわけではありません。賃貸契約をスムーズに進めたい場合は、以下のポイントを押さえるようにしてください。
日本で賃貸の契約をしたい場合は、日本語のレベルを向上させましょう。貸主が外国人を受け入れたがらない理由のひとつは、意思の疎通の難しさです。日本語ができないと、契約の説明ができないのはもとより、ほかの住民とのトラブルが発生した場合解決が困難と判断されます。
日本語で会話ができれば、賃貸契約のハードルは一気に下がるでしょう。いきなり完璧な日本語を話す必要はありませんが、来日前に問題なくコミュニケーションを取れるレベルの日本語は習得してください。
賃貸を探す際は、連帯保証人が必要ない賃貸を探しましょう。最近では、連帯保証人の代わりに保証会社を利用することで、連帯保証人を用意する必要がない賃貸も登場しています。
ただし、保証会社を利用するため、その分賃貸を借りる費用が嵩んでしまう点に注意してください。連帯保証人がいらない賃貸を借りたい場合は、部屋探しを手伝ってくれる不動産会社のスタッフにその旨を伝えましょう。
賃貸契約を結ぶためには、支払い能力を証明しなければなりません。支払い能力を証明するにあたって、所属している会社の協力は必要不可欠です。
すでに仕事を始めている人は、会社に依頼して直近2〜3か月分の給与明細書を提出すれば、支払い能力を有していると判断してもらえます。
ただし、部屋探しの時点で仕事を始めていない人は、給与証明書を発行してもらうのは困難でしょう。その場合は、所属する予定の会社の内定通知書を提出すればよいケースもあるため、不動産屋に確認しておきましょう。
部屋探しをする際は、外国人が多いエリアを中心に行いましょう。外国人が多く暮らしているエリアは、それだけ外国人が賃貸契約しやすい場所ということです。
賃貸の貸主も外国人の事情を把握しているため、生活に対して配慮してくれる場合があります。外国人の部屋探しのサポートを自治体全体で実施している都市もあるため、お願いすれば賃貸契約の手伝いをしてくれるでしょう。
来日前に、日本の生活のマナーや文化を学んでおきましょう。現在でも外国人に対して、日本のルールを守らない、近隣住民に迷惑をかけるなど、偏ったイメージを持っている人は少なくありません。
しかし、日本の生活におけるマナーや文化を熟知している姿をみせることができれば、逆に相手に対して好印象を与え、その後の審査を有利に進められる可能性が高まります。とくに指摘されやすい、ゴミ捨てや騒音に関するマナーには気を配りましょう。
賃貸の契約をする前に、一時帰国の時期をはじめ、必要な情報を管理会社に入れておきましょう。外国人入居者が一時帰国で長期間部屋を空ける場合、家賃や公共料金の支払いトラブルが発生しがちです。
しかし、あらかじめ情報の共有をしておけば、双方の信頼関係を築くことができます。万が一帰国時期が延びてしまった場合も、柔軟に対応してもらえる可能性も高くなるため、細かな情報でもしっかり伝達しておきましょう。
最近は、インターネットで賃貸物件を探すのが一般的です。各社がサービスを提供している賃貸検索サイトでは、外国人の入居が可能な賃貸の情報も提供しているため、よりスムーズな賃貸探しができるでしょう。
サイト内で外国人の入居の可否について明記されていない賃貸も、保証人が不要であれば契約できる可能性があります。最近では各国言語に対応した外国人向けの賃貸検索サイトも登場しているため、日本語に自信がない人はそちらも利用してみましょう。
もし気に入った賃貸の貸主が外国人の受け入れを拒否していた場合は、すぐに諦めずに一度交渉してみるのもおすすめです。貸主のなかには、イメージだけで外国人の受け入れを拒否している人も少なくありません。その場合、対話を通じて相互理解ができれば、賃貸契約を前向きに進めてくれる場合があります。
外国人が日本で賃貸契約をするためには、貸主の信頼を得ることが大切です。日本語を理解し、日本の文化やルールを遵守する姿勢を示せれば、賃貸契約を結べる可能性を高められるでしょう。
また、信用を得るにあたって、支払い能力の証明も求められます。支払い能力を証明する方法はいくつかありますが、やはり日本で正社員として働くのが有効です。